映像芸術の世界

芸術の秋」といいますが,そもそも,芸術とはなんですか?

表現者あるいは表現物と,鑑賞者が相互に作用しあうことなどで,精神的・感覚的な変動をえようとする活動です。

文芸(言語芸術),美術(造形芸術),音楽(音響芸術),演劇・映画(総合芸術)などを指します。

そのなかでも,もっとも大衆的な芸術は,映画といってもいいのではないでしょうか。

古来からの芸術である絵画・彫刻・音楽・文学・舞踏・建築・演劇に肩をならべる新たな芸術として「第八芸術」ないし,舞踏と演劇を区別せずに「第七芸術」とも呼ばれます。
そういえば第七藝術劇場(大阪市淀川区十三)という映画館がありました。

映画は古くは活動写真,戦前はキネマとも呼ばれており,シネマ(cinémaはフランス語で映画の意味ですが,アメリカではアート作品は「シネマ」,娯楽作品は「ムービー」と区別することがあります。

先日,アニメの宮崎駿(はやお,1941-)監督がアカデミー賞名誉賞を受賞しました。

日本人の最初は,1990年の黒澤明(1910-1998)監督でした。
外国でも多くの監督に影響を与え,とくにフランシス・フォード・コッポラ,ジョージ・ルーカス,スティーブン・スピルバーグなどは大いに刺激を受け,映画作りの参考にしました。

黒澤作品はいろいろありますが,代表作はなんといっても『七人の侍』1954年ではないでしょうか。

戦国時代末期(具体的には1586年),野武士の略奪により困窮した百姓に雇われる形で集まった七人の侍が,身分差による不和を乗り越えながら協力して野武士の一団と戦う物語です。

配役は,
智将・勘兵衛         (志村 喬
腕はたつが素性の良くない菊千代三船敏郎
勘兵衛の相棒で補佐役・七郎次 (加東大介
剣の達人・久蔵        (宮口精二
剽軽な薪割り名人・平八    (千秋 実
勘兵衛に惹かれた五郎兵衛   (稲葉義男
村娘とできてしまう若侍・勝四郎木村 功

それぞれの役どころに個性があって魅力的でした。
後に大きな影響力を残すだけあって,西部劇のようなダイナミックなシーンも多く,しかし,それだけではなく,味方同士の武士と農民との葛藤など,心理的な交錯もある,見ごたえのある作品です。
しかし,なにしろ上映時間が3時間半という超大作です。こころして劇場で見ることをお勧めします。

この「七人の侍」をアメリカでリメイクしたのが『荒野の七人』(原題:The Magnificent Seven)1960年です。

舞台を西部開拓時代のメキシコに移して描きました。

配役は,
リーダー格のクリス   ユル・ブリンナー(勘兵衛)
サブリーダー格のヴィン スティーブ・マックイーン(五郎兵衛と七郎次)
最年少のチコ   ホルスト・ブッフホルツ(菊千代と勝四郎)
子供に慕われるベルナルド チャールズ・ブロンソン(平八)
ナイフ投げ達人のブリット ジェームズ・コバーン(久蔵)
山師のハリー     ブラッド・デクスター(一部は七郎次)
凄腕の賞金稼ぎのリー ロバート・ヴォーン(菊千代に近いか)

ユル・ブリンナー(1920-1985)だけは『王様と私』で既に有名な俳優でしたが,ほかの出演者はテレビ俳優といってもよい,まだ売れていない若手の人たちでした。この映画をきっかけに,ほとんどの出演者たちが大スターになっていきました。

スティーブ・マックイーン(1930-1980)はTVドラマ『拳銃無宿』で改造ショットガンをつかう愛嬌のある賞金稼ぎ役でした。
その後,『大脱走』,『ブリット』,『タワーリング・インフェルノ』などに主演しましたが,若くして亡くなりました。

チャールズ・ブロンソン(1921-2003)はTVドラマ『カメラマン・コバック』で肉体派として主演しました。
その後,『レッド・サン』,『さらば友よ』などに男臭い役で主演し,日本の男性化粧品マンダムのCMでも有名になりました。

ロバート・ヴォーン(1932-)はTVドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のソロ役で活躍しました。

ジェームズ・コバーン(1928-2002)は長身で痩身でしたが,悪役や個性的なアクション俳優として出演しました。
その後,『電撃フリントGO!GO作戦』などにタフガイ役で主演しました。

ホルスト・ブッフホルツ(1933-2003)はドイツ生まれの国際派俳優でした。

この『荒野の七人』はじつに第4作まで作られました。
しかし,しょせんリメイク作品は,本家の作品には及びませんでした。

秋も深まってきましたが,外国の歌に日本の訳詞で有名なこの曲にしましょうか。

旅愁犬童球渓(いんどう・きゅうけい)・訳詞 オードウェイ(アメリカ)・作曲 「中等教育唱歌集」1907.8
(原曲:Dreaming of Home and Mother)

更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとりなやむ
恋しやふるさと なつかし父母
夢路にたどるは 故郷(さと)の家路
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとりなやむ

窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥(はる)けき彼方(かなた)に 心まよう
恋しやふるさと なつかし父母
思いに浮ぶは 杜(もり)のこずえ
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥けき彼方に 心まよう

 日本語の訳詞で有名な曲はいろいろありますが,昔の詩なので言葉がむずかしいきらいはありますが,歌い続けて残しておきたい名曲です。

閑話休題,
ここにきて安倍内閣は唐突に衆議院を解散しました。
投票日は12月14日,赤穂浪士の討ち入りの日です。

大義名分のない解散といわれています。
支持率の落ちないうちに解散して長期政権への足場固めをしようとする狙いらしいのです。

約束違反は,
国民に消費税を上げるという痛みを与えるのなら,政治家も痛みを分かち合って,国民の権利を平等にする定数是正と,ずさんな使用の多い政治資金の減額を,やると断言しながら,やりませんでした。

忘れてはならないのは,
集団的自衛権の行使」,「特定秘密保護法」,「原発再稼動」の問題は,国として大きな政治的な争点です。

総理当人は,「アベノミクス解散」などと問題点をそらしていますが,選挙で勝ちさえすれば,すべてがチャラになるという,都合のよい「総理救済リセット解散」とでも呼んだ方がピッタリときます。

みなさんも,ごま化されることなく,年末ですが,投票場に足を運んで,しっかりとした判断を示しましょう。
300年余り前,赤穂浪士が決死の覚悟で吉良邸に討ち入ったように,総理官邸に討ち入る覚悟で,投票場に向かいましょう。

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