ホルモンの効用

ホルモン焼き,はやっているようですね。
内臓(もつ)を焼く料理,廃棄していた腸などの部位を利用した料理で,最近は朝鮮系の内臓焼肉を,ホルモン料理というようになったようです。

ホルモン焼きの語源は,「棄てるもの」の大阪弁で「放るもん」から来ている,という説がありますが,真偽のほどは定かではありません。

コラーゲン(動物の皮・腱・軟骨などを構成する蛋白質の一種)が含まれるので美容に良いと一般に信じられているようですが,摂取してもそのままコラーゲンとして吸収されるということは実証されていません。

むしろ逆に,消化が悪く,カロリーも高く,プリン体を多く含むので,痛風の原因となることから,現在では,健康にとって良くないとされています。

ところで,
生化学におけるホルモンとは,生体内の特定の器官から分泌され,体液とともに体内を循環し,特定の組織の機能に影響を与える物質の総称です。

たとえば,オキシトシンというホルモンがありますが,通称「愛情ホルモン」とも呼ばれており,その効果は

1.人への親近感,信頼感が増す
2.ストレスが消えて幸福感を得られる
3.血圧の上昇を抑える
4.心臓の機能をよくする
5.長寿になる

と良いことずくめです。
オキシトシンの分泌を促すための方法は

1.他人に触れる
2.感動し,それを言葉にだす
3.好奇心を持つ
4.親切心を心がける
5.愛撫や抱擁などの皮膚接触や性交渉を行なう

つまり,愛情行為と元気さとは,鳥と卵はどちらが先か,と似たような関係にあり,元気があるから愛情行為を活発に行ない,その結果,その行為によって更に元気になる,という相乗効果が生まれます。

このオキシトシンは,哺乳類だけがもっているホルモンで,脳と心が癒され,満たされた気持ちのなりますから,世界中に広めると,みんなが信頼し合い,平和な関係が拡散されていきます。

みんなで手をつないで,平和の輪(鎖)をつくるというのは,生理学的に言って,信頼感・安心感を共有するためには合理的なやり方です。

今回の歌は,1960年に永六輔いずみたくが制作・公演したミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の劇中主題歌で別のグループが歌っていましたが,1963年に坂本九の歌で大ヒットしたこの曲にしましょう。

見上げてごらん夜の星を
永六輔:詞 いずみたく:曲 坂本九:歌(1963)

 見上げてごらん 夜の星を
 小さな星の 小さな光りが
 ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
 ぼくらのように 名もない星が
 ささやかな幸せを 祈ってる

 手をつなごう ぼくと
 追いかけよう 夢を
 二人なら 苦しくなんかないさ

 見上げてごらん 夜の星を
 小さな星の 小さな光りが
 ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
 ぼくらのように 名もない星が
 ささやかな幸せを 祈ってる

2002年,全国の天文台が行ったインターネット調査で「『星』で思いつく歌」という質問に対して,ディズニー映画ピノキオのテーマ曲「星に願いを」に次いで,本楽曲が2位に選ばれました。

永六輔(33-) 東京の元浅草の生まれ,早稲田大学中退,放送作家・作詞家・タレント・随筆家。代表作は「黒い花びら」中村八大・曲 水原弘・歌(59),「上を向いて歩こう」中村八大・曲 坂本九・歌(61),「にほんのうた」シリーズ いずみたく・曲 デュークエイセス・歌,『大往生』など。

いずみたく(30-92) 東京生まれ,舞台芸術学院卒,芥川也寸志に師事,作曲家。代表作は「いいじゃないの幸せならば」岩谷時子・詞 相良直美・歌(69),「夜明けのうた」岩谷時子・詞 岸洋子・歌(64),「夜明けのスキャット」山上路夫・詞 由紀さおり・歌(69)など。

坂本九(41-85) 神奈川県川崎市の生まれ,歌手・タレント。代表作は「上を向いて歩こう」永六輔・詞 中村八大・曲(61),「明日があるさ」青島幸男・詞 中村八大・曲(63)など。
1985年8月12日,日本航空123便墜落事故にて死去。

ロシア系の社会では男女を問わずハグ(hug,抱擁)するのが伝統的な挨拶の習慣ですが,どうも最近は近代化したせいか,ハグの量が極端に減っているようです。

2016年に伊勢志摩で行なわれる,G8( ”Group of Eight” の略,仏,米,英,独,日,伊,加,露)のサミット(頂上の意,主要先進国首脳会議)では,各首脳は握手ではなくて,しっかりハグしあって信頼感を高めてから,会議を始めてほしいものです。

いま,
安倍内閣がいかに危険な政権なのか認識がありますか。
特定秘密保護法(2014.12施行)によりマスメディア(新聞,出版,放送など)への有効無形の干渉を強めています。

現在,毎日報道されている安保法制について,国会では,野党の質問に対して,内閣は真剣な議論をする姿勢を見せず,答弁にならない答弁を繰り返しています。
憲法学者の憲法違反という意見にも,平和を願う国民の声にも,まったく耳を傾ける姿勢を見せず,独断専行が目立ちます。

このままでは,適当な時期に審議を打ち切り,数を頼りに強行採決する最悪のシナリオが見えています。

この暴挙を阻止し,違憲法案を廃案にするためにはどうすればいいでしょうか。
それには単に個別に反対のデモをするだけではなしに,安倍首相の尊敬する祖父の岸信介首相のときの「安保反対」運動のように,もっと積極的に「安倍政権を倒せ!」のスローガンで,国民的な反対運動を盛り上げてゆくことしかありません。

みんなで手を携えて,「安保法案反対」「安倍内閣不要」という国民の意志を,デモやマスメディアなどを通じて,ひろく世論に訴えていきましょう。

平和を守るための武力行使」は歴史上ありませんでした。
平和を守るためには,相手を尊重し,粘り強く話し合う外交努力しかありません。

しあわせな国のかたち

こんなCMソングがありました。

幸せって,なんだっけ,なんだっけ,・・・

本当にどうあれば人は幸せと感じるのでしょうか。
お金があれば幸せ?,愛があれば幸せ?,それも平和あってこその幸せ,など個人的にはそれぞれいろいろな思いがあるでしょう。

しかし,しあわせな国のかたちがあるとすれば,それはどんなものか,考えてみることは必要かもしれません。

国連が実施している世界幸福度調査というものがあります。
2013年と2015年のランキング上位を示しますと,

2013         2015
1.  デンマーク      1.  スイス
2.  ノルウェー      2.  アイスランド
3.   スイス       3.  デンマーク

43. 日本          46.  日本

これは,一人あたりのGDP(国民総生産),健康寿命,人生選択の自由度,汚職・腐敗の低さ,寛容度などの多面から総合的に指数化しています。

今回は,北欧の小国デンマーク(Denmark)をとりあげてみます。

北欧のスカンジナビア半島(ノルウェー,スウェーデン)の対岸のユトランド半島に位置する立憲君主制の王国で,首都はコペンハーゲン,面積43,000k㎡は九州(35,640)より少し大きく,人口560万人は大阪府(886万人)より少ない小国です。

国家元首はマルグレーテⅡ女王,首相はヘレ・トーニング=シュミットで,2011年から社会民主党を中心とする中道左派連合政権で,環境政策や教育改革に重点をおいた政策を推進しています。

デンマークといえば,組立知育玩具レゴ(LEGO),陶磁器ロイヤルコペンハーゲン,日本でデーニッシュといばデンマークのパン,童話作家アンデルセン(原語ではアナスン),遊園地チボリ公園などが有名です。

デンマークの特長を列挙しますと,

医療費・教育費がほぼ無料
・所得格差が少ない
女性の就業率70%,結婚後も仕事を続ける
・一般的な就業時間は9時から4時まで,残業は原則的にしない
選挙の投票率85%以上

家事や子育ても夫婦一緒に行ないます。
夫だけ12時間働くのではなくて,夫婦で6時間づつ働いて同じ額を得られれば,結果的に労働時間の短縮になります。
家庭で過ごす時間が増えるため,少子化対策にもなり,実際,出生率は1983年から,ずっと上昇し続けています。

逆に,日本では,まったくの無策で,出生率はこの40年間下がり続けていて,現在,平均1.42人まで減少しました。

妊娠の経費から出産費用まで無料で,4か月間の出産休業や両親のどちらかが8か月の育児休暇を取れます。

国民の政治参加意識は高く,投票率は低くても85%もあり,国民の望んだ政策が,国の政策として実現されていきます。

日本のように,国民の望まない,平和の国の非戦の誓いが,政府の重大な憲法違反によって,外国にまで出かけて行って戦争をできる国にしようとしているのとは,大違いです。

福祉政策も充実していて,デンマーク人は,お金に困るような人はいない,と言い切っています。

そのための財源として,消費税は25%と高率です。
しかも,自動車を購入するときには,消費税に加えて登録料が100%以上かかります。

多くの人たちは自転車を使います。
そのために自転車の専用道路網が充実しています。
電車には専用の固定用架台が用意され,無料で持ち込めます。
無料にしたことで,利用者が5倍に増えて,電鉄会社も満足しています。
市民は通勤時間も短くなった,と言っています。
日本のように,駅前が違法駐輪だらけで,電車の利用者も周辺の住民も大迷惑するようなことはありません。

自転車利用の増加によって,CO2の削減や市民の健康増進による医療費の減少につながっています。

デンマークには「ジャンテ・ロウ(The Jante Low)」というものがあり,1933年にアクセル・サンダモセが提唱した概念で,デンマーク人の,平等に価値をおく,国民性の基盤になっていると言います。

1. Don’t think that you are special.
(自らを特別であると思うな)
2. Don’t think that you are of the same standing as us.
(私たちと同等の地位であると思うな)
3. Don’t think that you are smarter than us.
(私たちより賢いと思うな)
4. Don’t fancy yourself as being better than us.
(私たちよりも優れていると思い上がるな)
5. Don’t think that you know more than us.
(私たちよりも多くを知っていると思うな)
6. Don’t think that you are more important than us.
(私たちよりも自らを重要であると思うな)
7. Don’t think that you are good at anything.
(何かが得意であると思うな)
8. Don’t laugh at us.
(私たちを笑うな)
9. Don’t think that anyone of us cares about you.
(私たちの誰かがお前を気にかけていると思うな)
10. Don’t think that you can teach us anything.
(私たちに何かを教えることができると思うな)
11. Don’t think that there is something we don’t know about you.
(私たちがお前について知らないことがあると思うな)

自分が特別,と思ったときに差別意識が生まれるということでしょうか。

デンマークでは「最高」「ベスト」はほめ言葉にはならなくて,「十分」「満足」の意識を大切にしていると言います。
決して「成功」が「幸せ」ではないというのです。

ここまでくると,自分たちは特別とか,日本は特別,と思っている選民意識の高い「日本人」の人たちは,「自分たちとは違う。真似できない」と思ってしまいがちです。

しかし,国としての制度を参考にすることはできます。

日本のように,高度の高齢社会になって,高齢者夫婦の一方が認知症になり,介護に疲れて,患者を殺し自分も自殺を図る,というような情けない事件が起きているのとは対極にあります。
このような悲惨なことが起きないように,早急に手を打つべきです。

この前の選挙のときに,「消費税を上げない」ことを主張した,国民のため,をうたっている政党がありましたが,目先の得票を取ることしか考えていないようです。この先はどうするんですか?
8%や10%程度の消費税で,これからの福祉政策を充実することは不可能です。
なぜ「消費税を20%程度まで上げますが,国民の老後は年金・医療とも不安にさせません」というまともな主張をする政党がないのか,残念でなりません。

老後が不安なため,老人はお金を貯め込んで使いません。
誰もが必要な年金を受け取れるようにすると,無駄な貯蓄はなくなって,経済がもっと活性化します。

実際に,それを実現して,国民が不安なく,満足して暮らしている国があり,それを支えている国民がいるデンマークのようなしあわせな国家が実在しているのです。
「マネの上手」な日本人がそれを見習わない手はありません。

自転車の利用拡大は大いに賛成で,日本のような国土の狭い,公共交通機関が発達している国では,車は不必要です。
デンマークのように電車に持ち込みが可能にできると,一層便利になって利用者が増えるでしょう。

しかし,日本の基幹産業である自動車業界は黙っていないでしょうね。
巨大企業トヨタの今期の純利益は2兆円を超えました。
売上が1兆円でも大企業なのに,利益が2兆円とはあまりにも,もうけ過ぎです。
この巨大利益が日本の景気が回復しているという錯覚を与えています。

これからも車社会が右肩上がりに進展してゆくとはとても考えられません。
もはや地球規模で,エネルギ使用の限界にきていることはみんなが分っています。
早急にこの車社会からの脱却をはからなくてはなりません。

連休のときの高速道路の大渋滞を目にしても,まだ車に乗りたいですか?
あれは車の量道路の容量を超えていることを端的に示しているのです。
ガソリンは有限だし,地球温暖化・環境汚染の元凶です。
交通事故死も多いし,悪いことだらけです。

それでも乗りたい人は定価の100%程度の登録料を支払って,税収に寄与してください。
そうすれば,ほんとうに必要な人とか,金持ちとかしか乗らなくなって,道路がすっきりとするでしょうね。
もちろん,障害者の人など車が無くては困る人たちには登録料の軽減をすれば良いのです。
自転車の専用路の確保も容易になるかもしれません。

いまの日本は,集団的自衛権の拡大,原子力発電の進展,沖縄米軍基地の新設など,将来にわたる国民のしあわせを本当に考えているのか,と声を大にして叫ばなければならないほど,ひどい状況です。

現政府は,選挙権を18歳からに引き下げることを考えており,これは思慮の浅い人の数を増やして,彼らを誤魔化して自分側につけ,都合のよい法案を通しやすくしようしているとしか,見えません。

国民のレベル以上の政治家は生まれない」とよく言われています。
レベルの低い政治家を選んで,結局,国民が被害を受けるのです。
個人的な利権(政治家が利益誘導してくれる)だけで選挙に参加していては,まともな政治家は選ばれません。

もっと全体のことを真剣に考えて選挙に臨んでほしいのです。

候補者から「お願いします」とお願いされて投票するようなことは,もうやめようではありませんか。

われわれの方からお願いして,われわれの代表として,われわれのためになる政策を実現していってくれるような人に,政治家になってもらいたいのです。

その際,デンマークの社会制度は参考になります。

日本人はもっと賢明であったはずです。
真剣に将来を考えて,賢明な選択をし,賢明な政策を実現していってくれる賢明な政治家を生み出し,多くの国民がしあわせと実感できるような社会を創って行きたいものです。