おはぎの季節

秋の彼岸の季節になるとなぜか,おはぎを思い出します。
米でできたの外側にあずきの餡(あん)をまぶすもので,日本の伝統的な家庭で作るお菓子です。

おはぎに似たものにぼたもちがありますが,それらの違いについて,諸説あります。

● もち米を主とするものがぼたもちで,うるち米を主とするものがおはぎ

● あずき餡を用いたのがぼたもちで,きな粉を用いたのがおはぎ

● こし餡を使ったのがぼたもちで,つぶ餡を使ったのがおはぎ

● 米を餅の状態までついたのがぼたもちで,粒の状態が残っているものがおはぎ

● 二口ほどで食べられる小さいのがおはぎで,それ以上の大きいものをぼたもち

しかし,一番有力なのが,
牡丹の花が咲く季節,すなわち春の彼岸のころに作るのが,牡丹餅(ぼたもち)で,の花が咲く季節,すなわち秋の彼岸のころに作るのが,御萩(おはぎ)というのが,もっともしっくりきます。

いずれも,神仏や先祖への供物とされた小豆(あずき)餡の様子を,牡丹の花や萩の花に見立てたことから,歴史的な伝統をかんじます。

ことわざもあって,

棚から牡丹餅

努力することなしに予期しない幸運が舞い込んでくること。「たなぼた」と省略することもあります。
この場合,お萩ではダメなようです。

漫才師に,メガネをかけた「おぎやはぎ」というのがいて,長く「おぎ」や「はぎ」と思っていました。
は間違えやすい漢字ですから,絶妙のコンビ名と思いましたが。

いまTVのCMがおもしろいですね。
日本の昔ばなしに登場する3人の「英雄」(かどうかは分からないけどスポンサー名から推測),すなわち金太郎桃太郎浦島太郎の三太郎を登場させて,いろいろ展開します。
桃太郎かぐや姫を一緒にさせたり,乙姫かぐや姫が姉妹だったりする,荒唐無稽のむちゃくちゃな内容ですが,おもしろいです。
こういうことで,売り上げに影響するんですから,バカになりません。
ライバルは,まえから,しゃべる白犬で,北大路欣也,樋口可南子,若尾文子,上戸彩など大物俳優を登場させていますが,若干おされ気味なようです。

今回は,三太郎にちなんだ誰でも知っている童謡・唱歌にしましょうか。

きんたろう』石原和三郎・作詞 田村虎蔵・作曲(1900)
幼年唱歌(初の上)

まさかりかついで きんたろう
くまにまたがり おうまのけいこ
ハイ シィ ドウドウ ハイ ドウドウ
ハイ シィ ドウドウ ハイ ドウドウ

あしがらやまの やまおくで
けだものあつめて すもうのけいこ
ハッケヨイヨイ ノコッタ
ハッケヨイヨイ ノコッタ

桃太郎』作詞者不詳 岡野貞一・作曲(1911)
尋常小学唱歌(一)

桃太郎さん桃太郎さん
お腰につけた黍(きび)団子
一つわたしに下さいな

やりましょうやりましょう
これから鬼の征伐に
ついて行くならやりましょう

行きましょう行きましょう
あなたについて何処までも
家来になって行きましょう

ここで,よく間違うのが,2番で「やりましょう」を「あげましょう」と間違って歌う人が多いことです。ここでは,家来になるべき者に対してですから,「あげる」ではなくて,「やる」なのです。

浦島太郎』作詞・作曲者不詳(1911)尋常小学唱歌(二)

昔々浦島は 助けた亀に連れられて
竜宮城へ来て見れば 絵にもかけない美しさ

乙姫様の御馳走に 鯛や比目魚(ひらめ)の舞踊(まいおどり)
ただ珍しく面白く 月日のたつのも夢の中(うち)

遊びにあきて気がついて お暇乞(いとまごい)もそこそこに
帰る途中の楽(たのしみ)は 土産に貰った玉手箱

帰って見ればこは如何(いか)に 元(もと)居た家も村も無く
路(みち)に行きあう人々は 顔も知らない者ばかり

心細さに蓋とれば あけて悔しや玉手箱
中からぱっと白烟(けむり) たちまち太郎はお爺さん

浦島太郎は数十年間の楽しみを短期間に凝縮して過ごしたのでしょう。細く長く,楽しみも喜びもほどほどに過ごすのか,普通の人たちの人生なのかもしれません。

いま花といえばですが,むかしはでした。
ところが『万葉集』約4,500首のうち,最も詠まれている花は,で約140首,つぎがの約120首,そしては40余首に過ぎません。

秋の七草』は万葉集で山上憶良(やまのうえのおくら)がつぎの二首で示しています。二首目は旋頭歌(せどうか)で,五七七・五七七と片歌を反復した六句体です。

秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

萩の花 尾花 葛花 撫子(なでしこ)の花
女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花

1. おみなえし(女郎花) オミナエシ
2. おばな(尾花)    ススキ
3. ききょう(桔梗)   キキョウ  朝貌の花
4. なでしこ(撫子)   ナデシコ
5. ふじばかま(藤袴)  フジバカマ
6. くず(葛)      クズ
7. はぎ(萩)      ハギ

また,『萩の寺』として有名なのが東光寺(大阪府豊中市)です。境内はいま萩の花で満ちています。かつては大坂豊崎の里にあり「南の四天王寺,北の東光寺」と並び称された名刹ですが,阪急電車敷設により,1914年に現在地に移転されました。最寄駅は宝塚線曽根駅で,9月中旬から下旬まで萩祭が行われています。

ところで,
消費税増税にあたって,生活必需品の税率を低く抑える軽減税率の導入に,麻生太郎副総理は「複数の税率は面倒くさい」と発言し,与党は新設したマイナンバーカードで買い物ごとに精算時に記録し,後に2%分を還元する案を提出しました,それも還元分に上限を設けて。面倒なことを国民に押し付けるやり方はじつに腹立たしいです。

国民の反対の多い安保法案をゴリ押しして通そうするのは,本当に国民の安全を考えているのか,という思いが強いです。

やはり国民の意志を反映した政府を作らないと,恐ろしいことが起こりそうです。

おかしいことは,おかしいと,飽きずに言い続けましょう。

これから秋は,何をするにも良いシーズンです。夏の疲れを取って,大いに楽しみましょう。

「おはぎの季節」への4件のフィードバック

  1. 桜と梅のこと・・・知りませんでした。ありがとうございまじた。名前を忘れたけど、田んぼのそばである赤い花が大好きです。

    日本の食文化について投稿がありますか?その中でおせち料理は結構特別と思います。
    また色々なことを教えてください。

    1. Gobosan
      コメントをありがとうございます。
      秋の彼岸のころ道端に咲く赤い花は,おそらくヒガンバナ(曼珠沙華)だと思います。毒性があるので気を付けてください。
      日本の食文化について,大いに関心がありますが,残念ながら投稿はまだありません。

    1. Gobosan
      衣・食・住に関わって発信しており,
      ・ホルモンの効用(2015.6.26)
      ・肉のはなし(2015.1.29)
      ・食通の時代?(2014.11.3)
      もご参照ください。

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