世の中にはよくわからない言葉がたくさんあります。
伝統的な言葉なら,勉強不足です,しっかり理解しましょう,という気にもなりますが,新しい造語だと,説明されても訳がよく分からなくて,覚える気にもならないことが多々あります。
その代表的なのが,コンピュータ関連の用語でしょうか。
たとえば,
ホテルやお店で,「Wi-Fi 使えます」のどの表示を見かけることがあります。
Wi-Fi(ワイ・ファイ)とは,国際標準規格 IEEE802.11 を使用したデバイス間の相互接続が認められたことを示す名称。無線LAN のひとつ。
IEEE(アイ・トリプルイー)とは,The Institute of Electrical and Electronics Engineers,米国の電気電子工学会のこと。
LAN(ラン)とは,Local Area Network,家庭内や企業内などの比較的狭い地域に限定されたコンピュータネットワークのこと。
数字による規格では分りにくいとして,音楽で既に用いられていた Hi-Fi(High Fidelity,高忠実度)から Wi-Fi としました。
「Wireless Fidelity」という由来は,後付けされたものです。
そういえば,ハイ・ファイ・セット(74-94)という音楽グループがありましたね。赤い鳥(69-74)が解散して,山本潤子らの3人のグループでした。「卒業写真」「フィーリング」などをヒットさせました。
家庭内のスマートフォン,パソコン,テレビ,ゲーム機などをWi-Fi でつなげば,家族のみんなが,それぞれのスマホなどから,パソコンやビデオのデータを共有して,画像・動画や音楽を楽しめたりします。便利ですね。しかし,面倒ですね。
もうひとつ,IoT(アイ・オー・ティ)があります。
Internet of Things の略で,「物のインターネット」と言ったりします。
様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され,情報交換することにより,相互に制御する仕組みです。それによる社会の実現も指す,としています。
ややこしいですよね。
それに比べれば,昔の言葉は良いですね。分りよいし,音の響きもいいです。
代表的な四文字熟語を並べますと,
品行方正 行ないが正しくきちんとしているさま
清廉潔白 心が清くて私欲がなく,いさぎよくてけがれていないこと
謹厳実直 慎み深くて厳格で,誠実で正直なこと
質実剛健 飾り気なくまじめで,逞しく健やかなこと
頭脳明晰 思考力が明らかではっきりしていること
容姿端麗 顔だちと体つきが整ってうるわしいこと
眉目秀麗 みめ(まゆと目)が優れてうるわしいこと
明眸皓歯 澄んだひとみと白い歯。美人の形容にいう
これだけ揃っていると,言うことなしの人物ですね。
今年の夏は東日本と西日本では季節が全く異なりました。
東日本は不順な気候で,雨がよく降って,気温も低く,冷夏でした。農作物の出来が心配されます。
それに反して,西日本では,酷暑でした。真夏日や熱帯夜は何日つづいたのでしょう。
しかし,夏は暑いのが当たり前,寒ければ,宮沢賢治のように「寒さの夏はおろおろ歩き・・・」と山背(やませ)が心配されます。
山背とは,夏,北海道・東北地方の太平洋側に吹き寄せる東寄りの冷湿な風のこと,稲作に悪影響を与えます。凶作風です。
この大阪でも,朝晩は秋めいてきました。
夜には虫の声が聞こえるようになってきました。
今回はこの季節にふさわしいこの歌にしましょう。
『虫のこえ』 尋常小学読本唱歌(1910.7)
作詞・作曲者不詳
あれ松虫が 鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
きりきりきりきり こおろぎや(きりぎりす)
がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫
あとから馬おい おいついて
ちょんちょんちょんちょん すいっちょん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
いわゆる「オノマトペ(onomatopoeia)擬声語」のオンパレード(総出演)です。こういう音に聞こえたんでしょうね。
これからが季節の変り目,体調を崩しやすいシーズンです。
夏の疲れを残さず,温度変化に気を付けて,元気に過ごしましょう。