お正月

元日に年賀状を読むのも,年に一度の友人たちの安否確認のようなもので,ささやかな正月の楽しみの一つです。

しかし年賀状は,電子メールSNS( Social Network Service)の普及により,発行部数が17年度は約30億枚で,過去最高の04年に44億6000万枚を発行して以降,減少傾向がとまらず,年賀はがきはハガキ全体の3割を占めているので,郵政事業全体にも影響が出てきています。
ハガキが今年の6月から23年ぶりに62円に値上げすることが決まりましたが,年賀状は据え置かれるので,みなさんもせいぜい古き風習を尊重して,年賀状を出してください。

郵便料金の推移 

・         葉書  封書 
昭和24年(51)   5円  10円
昭和41年(66)   7     15
昭和47年(72)   10   20
昭和51年(76)   30   60
平成 元年(89)   41   62
平成   6年(94)   50   80
平成26年(14)   52   82

たったの5円や10円で,ハガキや手紙が届けられた時代が懐かしいです。

一般に,一休さん(一休宗純,1394-1481)の作と言われている短歌に,

門松は 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

また,小林一茶(1763-1827)の句には,

目出度さも ちゅう位なり おらが春

「あけましておめでとうございます」などと言ってみても,ほとんどの人は,そうめでたくもなく,「ちゅうくらい」なんです。

でも,年が変わる度に,新年と称して,新しい気持ちでスタートする,というのはいい習慣だと思います。去年は余り良くなかったけれど,今年は良いことがあるかも知れない,と思うことで,気分も変わって,ほんとうに良いことが起るかもしれません。

新年のスタートは,正月らしく「一月一日」にしましょう。

一月一日」 千家尊福(せんげ・たかとみ)作詞 
上 真行(うえ・さねつら)作曲 官報第三〇三七号附録(1893.8)

年の始めの 例(ためし)とて
終なき世の めでたさを
松竹たてて 門(かど)ごとに
祝(いお)う今日こそ 楽しけれ

初日のひかり さしいでて
四方(よも)に輝(かがやく)く 今朝のそら
君がみかげに 比(たぐ)えつつ
仰ぎ見るこそ 尊(とう)とけれ

明治時代の歌で,歌詞も古文ですが,意味は分りますね。
出雲大社の宮司さんの作詞で,宮内庁楽師さんの作曲です。。

平成も30年で終わり,次の時代は,どうなってゆくのでしょう。世間はかまびすしい(やかましい,さわがしい)ですね。

まず,政府は天皇の退位を,皇室典範の根本的な改正ではなく,時限立法(有効期間をあらかじめ定めた法,つまりその場しのぎの法)でやろうとしています。
今の皇太子(次の天皇)には,男子がいませんので,今のままだと,秋篠宮さんが皇太子になることになります。

皇位継承順位
1.皇太子徳仁(なるひと)親王 1960.2.23生
2.秋篠宮文仁(ふみひと)親王 1965.11.30
3.秋篠宮悠仁(ひさひと)親王 2006.9.6
4.常陸宮正仁(まさひと)親王 1935.11.28

今上(きんじょう)天皇昭仁(あきひと)陛下は1933..12.23のお生れなんで,現在83歳,2年後は85歳で,十分に高齢です。

今の皇太子が天皇になると,皇位継承者は3人だけ,しかも常陸宮さんはすでに高齢で今上帝の弟さんですが,現実には皇位継承は無理です。
そうすると,皇位継承者はたったの2人だけ,という誠に不安定な状態になります。
しかも,悠仁さんはまだ10歳,自分の子供ができるのはまだまだ先,そして男子が生まれる確率も半分です。

そうすると,ふつうには女帝を選ぶことになるはずなのですが,これには断固,反対している人たちがいるのです。

天皇家は,「万世一系」と称して,一つの血統が2600年以上も引き続いていることが,特別であるそうなんです。
女性が入るとX染色体なので,男性のY染色体が残らない,つまり,違う血筋になる,そうなんです。

未だに堂々とこういうことを言う人たちがたくさんいることが,不気味です。

ダーウィン(1809-82)の「進化論」(1859)を信じないキリスト教徒がいることと同様な不安を感じます。

ここに進化論とは,「生物のそれぞれの種は,神によって創造されたものではなく,極めて簡単な原始生物から進化してきたものである」という説。

いまが年間で一番寒い季節です。これさえ乗り切れば,春が来ます。立春(2月4日)まで,もう少し我慢してください。

風邪は万病のもと,インフルエンザの予防接種は済ませましたか。接種すると,10日ぐらいで抗体ができ始め。1ヶ月で効果を発揮し,2~3ヶ月間は持続します。ですので,本当は11月中ぐらいに接種しておくのが適切なのです。いまからでは少々遅すぎますね。

しかし,寒さに負けないで,元気にお過ごしください。