緑の切妻屋根の家

いま
NHK連続テレビ小説(通称・朝ドラ)がおもしろいです。
「あまちゃん」,「ごちそうさん」,「花子とアン」と3回続いての大ヒット,これはもうホームランと呼ぶべきです。

ほとんど
1985年4月17日,阪神甲子園球場において,巨人・槙原投手から,バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発に匹敵する快挙です。

もちろん
「花子とアン」は翻訳家・児童文学者の村岡花子(1893.6.21-1968.10.25)〈誕生:安中はな〉の1代記ですが
代表翻訳「赤毛のアン」の孤児院で育ったアンと花子さんの貧しい生い立ちを重ねて共感を得ています。

カナダの作家L・M・モンゴメリ(1874.11.30-1942.4.24)の小説「赤毛のアン」(1908)の原題は”Anne of Green Gables”で,直訳すると「緑の切妻屋根のアン」となります。
場所はカナダの東海岸,プリンス・エドワード島にその家は今も建っています。

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じつは
私がカナダに留学していたとき,職場のカナダ人の女性に
「プリンス・エドワード島に行ってみたい」と言うと
「なんで?あんな何もない辺鄙なところに」と返されて,驚いたことがありました。
日本ではこんなに有名なのに,カナダではそれほどでもないのか,と思いましたが,彼女が東欧からの移民の人と聞いて,納得しました。

ドラマに登場する「はな」さんの“腹心の友”になる蓮子さんには,実在の人物がいます。

歌人の柳原白蓮(1885.10.15-1967.2.22)本名:燁子(あきこ)です。
じつは
燁子さんの叔母の柳原愛子は大正天皇の生母なのです。
ということは
大正天皇と白蓮さんは従兄妹(いとこ)同士ということになります。
また
彼女は大正三大美人の一人で,非常なる美貌の持ち主です。

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そのせいもあって
不幸な結婚を2度もさせられています。
最初は十代で子爵と,つぎは年の離れた九州の炭鉱王と,政略結婚と言ってもいいでしょう。
しかし
最後は駆落ち(白蓮事件として有名)をします。
相手は宮崎龍介という編集者・弁護士・社会運動家で,彼の父・宮崎滔天(とうてん)は中国革命を支援し,孫文の盟友であった社会運動家でした。
それまでの人たちと比べて,地に着いた生き方の龍介に,きっと白蓮さんは心惹かれたのではないかと思われます。
そして
ついに結婚しますが,そのとき白蓮36歳,龍介29歳でした。

さきの3連発のうち,あとの二つは,どちらも女性の1代記で,明治・大正・昭和そして戦争と,過酷な時代を,けなげに生き抜きます。
そのまえの「カーネーション」(2011.10-2012.3)もそうでした。
驚異的な支持を得た「おしん」(1983.4-1984.3)も同様の展開でしたね。

次回の朝ドラは
ニッカウヰスキーの創業者で「日本のウイスキーの父」と呼ばれた竹鶴政孝(1894.6.20-1979.8.29)の1代記で「マッサン」。
ヒロインは妻のリタ(役名はエリー)さんというイギリス・スコットランドの人です。

上記の考察から推論すると
ヒットする,いやホームランの可能性が高いと思われます。

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